二夜

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今夜は相原さんの顔を立てて祝い金として仮にもらっておくが、次に来たときはただで飲んでもらおう。 そう思っていると。 表でヤタが「ぎゃあ!ぎゃあ!」と騒がしく鳴いた。 人間の客がいるとわかっているから、人語では鳴かない。 しかし、それに対して。 「何よ、ヤタ!何でぎゃあぎゃあ鳴いてんのよ、気持ち悪いわね!いつも通り可愛げのないことでも言いなさいよ。」 珠美さんだ! 会社の飲み会の後だから、きっとアルコールが入っている! しかも、相原さんがいるのを知らない! まずい! 俺がカウンターから飛び出し掛けたとき、既に遅く、店の戸が開いた。 「やっほー、泉実ちゃん!二次会が面白くなかったから、途中でこっち来ちゃった!」 ああああ、間に合わなかった!
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