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「今夜も来ないわよね、あいつ。あー、楽でいいわぁ。」
そう言ってビールをぐいと煽る珠美さん。
あいつとは、相原さんのこと。
俺が企業勤めで営業マンをしていた時の取引先さんだ。
ようやく来られるようになったと、わざわざ足を運んでくれたんだが。
珠美さんとは、非常によろしくない状況で会っていたらしく。
「しっかし、泉実ちゃん、真面目なお仕事だったんでしょ?何であんなヤクザと取引なんてしてるのよ。」
珠美さん、ヤクザヤクザと連呼しているが。
「まあ、相原さんはどこまでヤクザと言っていいのか。」
「しかし、堅気ではなかろう。」
それを来店してすぐに言い当てた吸血鬼も大したもんだと思うが、にもかかわらず名刺交換してたって、どういう神経だ。
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