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「でけぇ息子だけどな。これも何かの縁だし、あいつと添い遂げるにしてもガキができるかどうか分かんねえし。
父親とか他の人間からの好意だの親切だの愛情だの思いやりだの、そういうのを学べって言ってんだよ。
な?」
立ち上がった相原さんが近づき、伸ばされた手が深く被った帽子の上からリュエルクさんの頭をぽんぽんと叩く。
リュエルクさんの肩が大きく震え、上がっていた顔を再び俯かせてしまう。
でも、相原さんの手を払いのけるわけじゃない。
「・・・おまえが幸せになるなら、それでいい。俺に遠慮するな。」
ウルスクさんが、震えているリュエルクさんの肩に手を置いた。
「おまえが俺を見つけてくれた。俺が初めて吸血鬼を倒すのを見届けてくれた。ハンターとしてまだ未熟だった俺を育ててくれた。だが、俺といてもおまえはずっと不幸だった。」
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