Developpe

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side:津田要 営業のための出張も最後の営業先へと向かうべく飛行機を降りる。 バゲージクレームで荷物を受け取って行こうとしたら、聞き慣れた日本語とカタコトの英語を話す日本人の声が聞こえたから思わず声の方を見やる。 (は?えっ…!?) まさか、こんなところで石田陽介に会うとは思わなくて思わず驚いた。 しかも滞在先まで一緒だなんて、これは運命だろうか。 いささか、メールの返事をしていないことに後ろめたさを感じるものの、困っているようだったから声を掛けた。 「凄いですよね、要さんって…」 「え!?何が?」 「だって、あんな対等に交渉してて…」 「や、だって海外来るのに折角準備した荷物がなくなっちゃうなんてショックでしょ?」 「まあ、はい…」 「けど、まさか行き先まで一緒なんて驚いたよ!」 たまたま、昔参加したダンスキャンプ。 今回のコリオグラファーに日本人がいて偶然知り合いだった。 そこから、キャンプ中のちょっとした商品を販売している中に、ウチの商品も置いてもらえるよう交渉が成立。 ただ、それだけだった。
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