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「けど、なんでまたダンスキャンプに?」
「学生時代の先輩がたまたま今回参加するから誘われたんです。修行だと思って参加してみたら?って。だけど現地集合なので航空券の手配が大変でした。」
「そっか~、懐かしいな。俺も睡眠削って練習とかしてたからな~…あ、筋肉痛は覚悟しといた方がいいかも。みんな唸りながら踊ってるから。」
「マジですか…」
「けど、ダンス上手い人を見てるだけでも価値あるのに、一緒に踊れるんだもんね!終わる頃には絶対スキルアップしてるから!!」
石田陽介がまだまだ伸びしろがあること、本人が意欲的にダンスと向き合っていることが素直に嬉しかった。
ガタガタと音が煩く、エアコンの効きがイマイチなバスの車内、一番後ろに隣り合って座っていた。
何とはなしに、お互いの近況やらダンスキャンプの話やらをしつつも間が持たず、その後は無言のままの時を過ごした。
現地に到着すると、待ちかねていた石田陽介の先輩とかいう奴と一緒に手続きをしに行ってしまった。
俺は俺で、主催者側との最終打ち合わせと、パッキングしていた商品の荷解きにかかった。
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