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side:石田陽介
ダンスキャンプは初日からハードで、僕と先輩はヒーヒー言ってた。
だけど、間近に感じる100人近いアメリカのダンサー達のエネルギッシュなパフォーマンスに圧倒されつつも、自分のダンスを見つめ直すいい機会となった。
自分より身体の大きなダンサーの、大きな動きと繊細なテクニック、何よりその表情とか魅せ方とか…
とにかくすべてが新鮮でいつまでも見ていたいと思う人たちばかりだった。
要さんは、休憩時間や宿泊部屋と練習スタジオとの移動の間くらいしか見かけなかった。
そもそも自分も選択したクラスのダンスの習得でいっぱいいっぱいで、正直要さんどころじゃなかった。
だけど、いつ見ても要さんの売り場ブースは人だかりで盛況のようだった。
ーーー近寄りたいけど、側に行けない。
ーーー話しかけたいのに、できない。
そんな微妙な距離がもどかしくて、要さんを見かけるたびにやきもきしていた。
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