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唇までの距離が無くなろうとした瞬間、プールの方で騒ぐ声が聞こえた。
思わず、反射的にお互いに距離を置く。
恐らく、僕の顔が赤いのはジャグジーのせいじゃない。
早鐘を打つ心臓がキュッとなる。
「……」
「…It sucks!」
舌打ちとともに、要さんは何か呟いたけど、僕には聞き取れなかった。
お互いの視線がぶつかる。
「日本に帰ったらだね?」
苦笑いの要さんはばつが悪そうに頭をかいた。
「……」
僕はまた無言で頷いた。
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