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side:津田要
最終日、SHOWCASE(発表会)でお互いの成果を見合い、評価をする。
こっそりとその場に潜り込み、俺は石田陽介のダンスを目の当たりにした。
体格差では劣るものの、堂々としたダンスは見事としか言いようが無かった。
臆する事無く、惜しげも無くテクニックを披露する辺り肝が据わっていると思った。
やっぱり、俺はこのダンサーに、石田陽介に、惚れ込んでしまったことに改めて気づかされる。
ダンスのルーティーンが終了し、コリオグラファーやダンサーたちに囲まれている姿はちょっと、いやかなり嫉妬した。
(「かっこいいなぁ……」)
思わずぼそりとため息とともに呟きが漏れる。
そして、俺はこっそりとその場を抜け出し、自分の持ち場へと戻った。
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