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全日程を終了しダンスキャンプは今夜のプールパーティーを残すのみとなった。
ドレスアップしたダンサー達はまた昼間とは違った華やかさがあった。
「要さん!!」
石田陽介が声を掛けてきた。
「SHOWCASEお疲れさま!良かったよ!!」
「えっ!?見てたんですか?」
「うん、こっそりとね。内緒だけど!」
ニッと笑ってそう返す。
「その、僕どうでした?」
恥ずかしそうに俯くその姿ですら愛おしく思えるのは惚れた弱みだろうか。
「うん、ちょっと表情は固かったけど、途中センターで踊ってたよね?すごいじゃん!!テクニックは周りに負けてなかったよ!」
俺は素直な感想を率直に述べた。
「ありがとうございます!結構、てかかなり緊張しちゃって、正直必死で、自分のダンスをする余裕がなかったんです。」
「そうだったの?全然そんな風には見えなかったよ!」
「なら、よかった。要さんにそう言ってもらえるだけで嬉しいです。」
頬を染めてはにかんだ笑顔、それは反則だろう。
「ちょっと!!」
「えっ?!要さん?」
思わず、俺は石田陽介の手を取って会場から抜け出した。
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