ファーストコンタクト

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典子が学校へ着いた時まだ生徒は疎らで、教室は閑散としていた。 典子は人付き合いが苦手だ。だから、早くに来て教室の隅にある自分の席で読書をする。 そうすることで、クラスの皆と会話をしなくて済むからだ。 本に集中しているふりをすれば周りはあまり干渉してこない。 そして今日も窓辺にある自分の席に座り、鞄から読みかけの本を取り出した。 窓の外は綺麗な青い空と、薄い掠れた雲が浮かんでいた。 目を本に落として、今日も典子の静かな1日が始まった。
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