0人が本棚に入れています
本棚に追加
後ろを振り返ると、そこにはピンクの髪に金色のメッシュが前髪に入った、見るからにやんちゃそうな少年が、用意された木製の椅子に似合わないくらいきっちりとした姿勢で座っていた。
歳は、だいたい同い年ぐらいだろうか。
膝の上に両拳を揃えたまま上体だけをこちらによせ、怪訝そうな表情で話しかけるその姿に、少し笑いそうになる。でも耐えた。
「違うよ、たまたま落ちてたやつを拾ったんだ。チラシ配りのあまりじゃないかな?」
そう、僕は拾った。拾っただけだから、ここがどういうギルドなのかも全く知らない。
ギルドに所属して、稼ぎが得られるならどこでもいい。そりゃあ、犯罪を主にしてるギルドは流石にいやだけど、そういうギルドはこうやってチラシを配ったりしないだろう。
そういう悪行ギルドが、実際に存在していることは確かだけどね。
「それはチラシじゃなくてポスターだ。ギルドのメンバー募集を、チラシ配りなんかでするわけないだろ?」
へえ、そうなのか。
「お前、まさかここのギルドがどんなギルドか知らずに来たのか?」
最初のコメントを投稿しよう!