交差する想い

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「もういいよ!」 部下としか思ってない、 忘れられない女でもない。 なのに、なんで キスなんかするのよ! 私が裕に恋しちゃったのだって、 少なからずあのキスが きっかけにもなってるんだからね?! 裕にだって 責任があるんだから! そんなことを思っていると 「あれは麻衣が悪い」 一人コクコクうなずきながらそう言い切る。 は、はぁ??? なんで?! 「どうして私が悪いのよ!」 「悪いだろ!あんな目して“行かないでぇ”とか誘惑してきやがって」 そんな言い方してないし。 私の真似をしてるつもりか、 “行かないでぇ”っていう言い方が無償にイラッときて睨みつけると 「あの状況はお前じゃなくてもそうなってた」 って酷い言葉まで付け足して、裕はクスクス笑いながら焼酎を飲み干した。 今わかった。 私、完全にからかわれてる 「安心しろ!もうしないから!」 えっ…? これ以上惑わされたくないし、 あの日だってキスする気なんて全然なかったけど… だけどなんだか、そうやって断言されるのもちょっと悲しかったり… って何考えてんだろ私…。
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