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ただ黙々と
二人でお寿司を食べる中
裕はこれといって
何を話すわけでもなく、
私は極上のお寿司を味わいつつ、
たまにチラッと裕の顔を見て
どうして私、今日食事に誘われたんだろうって疑問に思うほど、
私たちの席は、まるでお通夜。
時折ぼーっとしてる裕を観察しながら、
何考えてるだろうなぁって心情を読もうとしても、
今の私にはマイナスのことしか浮かんでこなくて、
最悪、居酒屋の子のことでも考えてたらどうしようって思うと、
くぃっと飲んだ日本酒が胃にしみた。
高級と思えるお寿司を
一通り満喫したところで、
この気まずい雰囲気を
少しでも和ませようと
「ねぇ…さっき小林が言ってた仕事の話…本当なの?」
って切り出した会話は、
裕は私を部下だとしか思ってない
って展開にいずれ繋がってる話なんだって気づいてたときには、
「なんの話?」
もうすでに手遅れだった。
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