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ゆっくり目を開けると、
まだ私に向けられている裕の視線を感じて、ただただ、床を眺めることしかできない。
部下…
それは予想通りだと思って出たため息だったのか…
それとも絶望的な、ため息だったのか…
期待なんかしてなかった。
していなかったけど…
ここまで私の気持ちが大きくなるまでには、裕の態度にだって、期待させる要素があったからなのに…
なんて思っても、
他言でもない
本人から聞いた気持ちを
私が変えることなんてできなくて…
「部下…ね…。なんだ…残念」
その“残念”は
私と付き合ったとしても、裕が焼きもちをやかないから残念なのか…
それとも、
私が報われなくって残念なのか…
小林は小声でそう呟いた。
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