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だけど、
麻衣が目の前からいなくなった日々は、
なんだかぽっかりと
心に穴があいたようで…
本当に俺たちは終わったんだろうか…
そう自分に問いただすほど信じがたくて、
幸せな日々を保っていた
バランスが、一つ崩れると
楽しかった大学生活さえも半減していった。
麻衣と別れて
3日後のクリスマス。
“イブは一緒に過したい”
頬を赤らめながらそう呟いた麻衣の表情が、
いつまでもこの目に焼きついたまま離れなくて、
部屋の隅に寂しそうに置いてある、
彼女に渡すはずだったクリスマスプレゼントへ目を向けた。
ベージュの皮でできた手袋…。
その手袋を握り締めると、
イルミネーションで彩られてるクリスマスの町並みを一人歩いた。
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