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そして今から半年ほど前のある日。
「望月…飯どうする?」
「あぁ~…まだこれ片付いてないんだ」
「じゃぁ社食で済ませるか」
仕事が中途半端だった俺は外へ昼食に出るよりも、“まずい”とまでではないが、
“あまりうまくない”と社員の中では言われている食堂に渋々足を運んだ。
「味薄いなぁ…」
毎日昼飯を一緒にしてる同僚の新井は、
胡椒と塩を両手にブツブツぼやいている。
確かにうまくはない。
そのわりには、随分繁盛してるなって
思いながら、
ごった返してる食堂をグルッと見渡すと、
空いてる席でも探しているんだろうか…
2、3人の女子社員が、
キョロキョロしながら辺りを見回している。
「ゆっくり食えたもんじゃねーな」
俺がそう呟くと、
新井は“ほんとだな…”って言いながら
俺たちは流し込むように
ハンバーグ定食を口に運んだ。
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