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なんだかその彼女が気になって目で追っていると、
「なんだよ…ボーっとして」
「えっ?…いや…別に…」
でも…
すげー似てる…。
「な、なぁ?新井…」
「ん?」
「あの子…誰だか知ってる?」
「……?どの子?」
「ほらっ…あそこに立ってる、茶色いスーツ着てるやつ」
グルッと180度体を曲げてその子を見た新井。
「ん~……知らないけど、なんで?」
「いや…知り合いに…似てる気がして」
やっぱり…似すぎだろ…
見失ってしまわない様にじーっと観察していたら、
彼女は、穏やかに微笑んでるその表情のまま、
俺の座っている席へ視線を移すと、
ふいに目と目があった。
その瞬間、ドクンと一度大きく脈打った鼓動はそれを確かなものにして、
「もう席探しは後にしよう!」
「朝倉さん!しょうが焼きまだあるってよ!」
「本当?!じゃぁそれにする~」
麻衣…。
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