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「望月…どうした?」
新井の声で我に返った俺は、
椅子から立ち上がっていたことに気づいた。
「ちょっと…悪い…」
箸を投げ捨てると、
混雑してる食堂の中を縫うようにして、
人を掻き分けながら、
麻衣のところへ駆け寄った
なんで・・・この会社に…。
しょうが焼き定食をトレーにのせ、
笑ってるその横顔は、あの時のままで、
そんな麻衣に声をかけようと思ったとき、
“別れよう…”
“なんか疲れた…”
随分思い出すこともなかった、8年前聞いた麻衣の声が
スーッと頭の中によみがえってきて、
肩を叩こうと伸ばしたその手を止めた。
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