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交差する想い
麻衣side
「で?何の話だったっけ?」
何か考え事でもしていたのか、遠い目をしていた裕は、私に視線を移すと、首をかしげながら聞いてくる。
もう…何度も言わせないでよ。
「社内で噂になってるの!忘れられない元カノがいるらしいってね」
「あぁ~その話ね…」
裕は、フって鼻にかけなが呆れたように笑うと
「お前さ~」
って体を近づけながら、
私との距離を縮めてくる。
「な、なに?」
近すぎる距離に、
堪えることで精一杯だった胸の鼓動。
「もしかして、自分のことだとか思ってる?」
えっ・・・!
な、なにそれ!
「まさか!思ってないし」
実際初めて聞いたときは、
私もその候補に入ってる!って、ちょっと浮かれてしまったときはあったけど…
“部下”って言われた今は思ってるどころか、
それは誰のことなのか知りたいだけで…
だからなんて言えばいいか…
あぁ~
ワケわからなくなってきた。
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