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それからは、二人共だいぶ酔ってきたせいか、会話も弾んで、
「そろそろ帰るか…」
「…うん」
結局、裕にご馳走になり
(初めからそのつもりだったけど)
「タクシーで帰れよ」
「うん…」
タクシー乗り場まで、
裕の隣に肩を並べて歩いた。
こういうシチュエーションでやっぱり浮かんでくるのは、10年前の自分。
懐かしいこの距離。
この空気が…
大好きだった…。
だから・・・
タクシー乗り場が見えてくると、感じてしまうのもあの頃と同じで…。
別れる瞬間は
離れがたい。
私の中で
まだ一緒にいたいって思わせる何かが、
裕にはある。
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