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裕のあとにとぼとぼついて行きながら、
電車に乗って2駅で降りると、また歩き出す。
あれ?
この辺って前に明石さんと一緒に…
「ここでいい?」
駅から3分ほど歩いて、
裕が指差したその店を見た瞬間
「やだ…」
思わず言い切っていた。
「はぁ?なんで?」
裕のこと忘れるならそんなこといちいち気にするなって自分と、
他の女と来てる店に入りたくないって、
やっぱりあの子に焼きもち焼いてる自分が葛藤してて・・・
っていうか女とくるのは
この店しかないわけ?
この店しか知らないの?
って嫌味の一つでも言いたくなる。
「じゃぁ…何が食いたいの?」
無意識に裕を睨みつけていた私を、
呆れた顔して見下ろしてくる。
裕にしたら、今の私はきっと最高のわがまま女だ。
でも違う。
そんなんじゃない。
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