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しばらくして、トイレから出てきた門田さんを、席へ戻ってくるまで終始、
じっと見てしまった私。
「どうかしたんですか?」
そんな視線を不思議に思ったのか、
首をかしげながら、
何事もなかったように聞いてくる。
そりゃ彼女にしては何事もなかったかもしれないけど
今の私は心穏やかではいられなくて。
「門田さん…彼氏いるんだ」
終わった話題を、
改めて蒸し返した私に
「えっ?」
一瞬目を大きく開いて、
戸惑った表情を見せる。
まさか…裕じゃないよね?
だって社内でも恋人みたいに感じたことなんて一度だってないし。
たまたま食事しただけだよね?
上司と部下だけの関係でしょ?
心の中で、門田さんに尋ねているのか
それとも自分に言い聞かせているのか
次から次に膨らむ疑問。
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