王道を捨てて、不良校へ。

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さてさて皆さんこんにちは。俺の名前は澤田悠希[サワダ ユウキ] 今年で高校二年生になる。ワクワクしながら男子校の門をくぐった一年前が懐かしい。 あの時はこの学園にどのような萌えが待っているかと期待に胸を膨らませていたものだ。そして この一年、俺は運が良いのかたくさんのカップルのイチャイチャを見てきた。 だがしかし、皆一様に受けがチワワだったんだ。 最初の頃はそれでも良かったんだが…俺は最近それに飽きてきた。まぁ、目の前でイチャつかれたらガン見するくらいには興味はあるけど。 周りが男子だらけのムサ苦しい男子校でチワワ達の存在は天使だって、わかってはいるけどさぁ…ちょっとぐらいイケメン受けがいてもよくない?幅広くイこうぜ、攻め達。 とか、思ったところでこんな一生徒の思いなんて誰に伝わるでもないし、俺 ぼっちだから伝える奴もいないし。 まぁ、平凡顔の俺は周りからちょっと浮いた存在だし、別に転校しても…ね、誰が悲しむでもないし。 …自由最高~、とか強がったところで、俺は転校することを教師に告げる。 もともとそこまで生徒に、というか俺に興味のなかった担任は あっさりと わかった と言い、転校しても元気でやれよ という社交辞令な言葉を俺になげかける。 親の転勤という、なんとも都合のいいお家事情に身を任せ、俺はネットで見つけた不良校へ行くことにした。 不良というと、漫画とかの実は優しい不良などが一番に思い浮かぶが…あんなかわいい不良がはたして本当にいるのか…、これは中学一年生の時からの疑問。 もし本当にいたらそいつが受けだ、観察対象だ。 俺は前の学校と同じく空気になって観察してやろう そんな妄想に胸がいっぱいになっていると、いつの間にか家まで帰ってきていた。何故…。 まぁ、そんなこんなで俺の王道学園での最後の一日はあっさりと終わった。荷造りは大体終わっているし、特にすることも残っていない。 俺は次の不良校に思いを馳せながら布団に転がり過ごした。
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