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「おいクソガキ、何回も俺を睨んで…喧嘩売ってんのか?」
鋭い眼光でこちらを睨む赤髪の奴。いやいや、喧嘩売るなんてめっそうもない。俺は自分の無力さは充分に理解しているつもりだ。不良に喧嘩売るなんてバカなまね、したくもない。
俺はもげそうなほど全力で首を横に振る。そんな俺を見て、じゃあなにしにここに来たんだよ と問われる。
いや、貴方のその後ろのコンビニにパフェ買いにいこうとしているだけであって、貴方に用はないんですが。
なんて、堂々と言えない俺。
「コ、コンビニに用事がありまして…」
そう言うと赤髪の奴は チッ と舌打ちをし、俺はビクッと反応する。
な、殴られるっ?
そう思って身構えたが、不良はただ頭をガシガシとかきながら 早く言えよ と言い、どいてくれた。
…あれ、以外に良い奴だ。そう思ってしまったらもうそこから妄想が止まらない。
意外にも学校に入る前に不良受け見つけたかもしれない。俺は頭のなかでここに集まっていた奴らを思い浮かべ、ベストなカップリングは誰だろうと考えていた。
「…オイ…」
「へ、へいっ?!!」
や、やばい?なんかやらかした?
「コンビニ、使わねぇのかよ」
そう言ってわざわざ退いてくれてたらしい赤髪くんがこちらをジロジロと凝視する。
不審がられてるっ…。
「あ、ありがとうございますっ」
俺はそれだけ言うと逃げるようにしてコンビニの中に入った。
しばらく雑誌コーナーなども見て回ってからパフェを無事に手に入れ、さぁ帰ろうと出口に向かうと、もうさっきの赤髪くんはいなかった。
…まぁ、ずーっとコンビニの番人してるわけないか。
俺は早くパフェを食おうと家に向かった。
そして夜までパフェ食ってBL本読んでゴロゴロして過ごした。
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