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「なあ羽場野(はばの)、全校朝会ってさ、漢字間違えるとえらい解釈にならねえか?」
電車の中から見える気色に目を向けながら、吊革を持ち、眠たそうな表情をした少年が、真横で同じく吊革を持ち、スマートフォンを操作している肩幅が広めのの少年に話しかけた。
「ん?例えばどんなのがあるってんだお前はよ」
肩幅が広めの少年は、興味なさそうに、眠たそうな表情をして吊革を持つ少年を横目で見ながら応答した。
「そうだな、俺らのいうところのちょうかいってさ、朝の会って書いて朝会って読むじゃん?」
「そうだな」
肩幅が広めの少年は、眠たそうな表情の少年が出した話題に本当に興味が沸かないのか、目線までスマートフォンに戻そうとしていた。
「それをさ、別の意味で捉えてみるとちょうかい……つまり町に会うって書いて町会と取ることができるじゃん?」
「まあな」
眠たそうな表情の少年は、まるで世紀の大発見だ!とどこぞの誰かが思ったような表情に切り替わり、好奇心旺盛な幼子のような笑顔を、スマートフォンを操作する少年に向けてきた。
「そんでさ、ちょうかいってやつを懲戒……つまり懲らしめて戒めるって意味のやつに変えてみると、何かおもしろくねえか?」
「いや何も」
「そうかな、俺にとってはもう、未知の力を発見したぜブラボーってぐらいのおもしろみがあるんだけど……わっかんねえかな」
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