第二章

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あたしの前でにっこりと笑ってくれた『お兄ちゃん』、東博己(あずまひろき)は同じ団地の同じ階の三軒隣に住む7才年上の幼馴染み。 幼い頃よく遊んでくれた初恋の人はこの春中学生になった。 そして時は過ぎ……。 久しぶりに見た彼はまた違う制服になっていた。 制服がよく似合う長身に茶色い髪になった頃からは滅多に会えなくなり、たまにすれ違っても目も合わせてくれなくなっていた。 遊んでくれた頃の彼とは違う彼に少し寂しかったのを覚えている。 そんなある日の学校帰り。 外廊下を歩いていると数軒先の彼の家のドアが開き、中から彼が出てきた。
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