第二章

10/17
前へ
/85ページ
次へ
「えっ、もう高校?はえーな」 彼はあたしの制服姿をまじまじと見た後、以前と変わらぬ笑顔で笑った。 「久しぶりだなー」 「うん、久しぶり。あっそうだ、結婚おめでとう」 あたしの言葉にお兄ちゃんはなんとも言えない顔をした。 「結婚するんでしょ?お母さんが言ってたよ。おめでとう」 「ああ、ありがとう……」 彼は一瞬影を落としたが、あたしはそれに気付かなかった。話しているうちに共に家のある階につき一緒に歩き出す。 「暇だったらうちくるか?」 そう言われ、断る理由がなかったあたしはなにも考えず彼についていった。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

277人が本棚に入れています
本棚に追加