第二章

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そのキスは付き合っている彼とした数回のキスとは全然違う、煙草とコーヒーの香りのする大人のキスで、まだまだキス初心者のあたしはその濃厚なキスに、頭の芯が溶けるような感覚に陥っていた。 そして唇の隙間を割り舌が入ってきた。 ビックリして唇を閉じようとすると「同じ様に返して」とゾクリとするような低く色気のあるい声が聞こえた。 すでに頭の芯が蕩けボウッとした状態のあたしは、聞いたことのない艶のある低い声に体が勝手に動き、唇を合わせなから言われた通り同じ様に舌を伸ばしていた。 「ひろ…き兄……」 キスの合間に呼んだ声に彼はびくつき強引に体を離した。
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