第三章

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「……ちょっと出掛けてくるね」 「んー、分かった」 母は画面から目を離さずテレビに向かって「いってらっしゃい」と返事を返した。 久しぶりに帰ってきたが、実家にいた頃とたいして変わらない町並みをゆっくりと歩きながら、なんとなく足が向かったのは近くにある神社。 さっきの母がの話していた、彼が初詣に行っていたと思う神社だ。 境内にはチラホラと数人いたものの目的の人の姿はなく、1時間ほど歩き帰ってくると父も帰ってきていた。 「おせちにも飽きたし、どっかに食べに行く?」 母の提案により久しぶりに三人で外食をした翌日の昼過ぎ、実家から帰宅した。
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