277人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ!?」
串を向けたまま動きを止めたあたしを見て彼はおかしそうに笑い、その笑顔まま「離婚したんだ」とグラスに口をつけ、空いている左手をヒラヒラと振った。
その指に指輪はなかった。
「あっ、えっ?……ご、ごめん。知らなかったから……」
「なんで謝るんだよ。いいんだよ。もうずっと前だし円満離婚だったし」
「お子さんは?」
「二人とも向こう」
「そうなんだ……」
あんなに盛り上がっていた会話が途切れてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!