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「一応命を救ってもらってるので、その点は気にしないでください」
リリアもそうだが、シルビアも、シーナさんも、クロノスも丁寧な話し方するよな。
育ちがいい証拠なんだろうか。
俺が結果的に救ったために、ある程度融通が利くらしい。
多分トップだからゼウスとかが許可を出すのかな?
「手伝いってことは、俺と契約はしてくれないか……」
「流石にそこまでは無理ですね。闘いますか?」
にこやかな笑みを浮かべるなよ……
闘って勝ったら使い魔になってくれるんだろうが、出来るわけないしな。
「それにあの子と契約しないと、流石に戻りませんよ」
「あ、そうなの?」
「はい、まあそれはいいとして」
クロノスは机の上においてある想像魔法の研究資料を手に取る。
「貴方が彼女と使い魔の契約を出来るように手助けはできます」
「具体的には?」
時の神は、資料を持ったまま立ち上がり、俺の近くまで歩いてくる。
表情から笑みが消え、真剣な面持ちのまま俺をじっと見つめてくる。
俺は食事の手を止めて彼女のほうに向きなおる。
何やらとても真面目な話のようだ。
「透さん、貴方は自分の魔力を取り戻すために命を懸けられますか?」
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