δ.再三再四

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「おお、久しぶりにここに来たな」 「前にも言いましたが、以前あの子の作っていた空間とは違います」 「そうなんだっけ。どう違うんだ?」 すごく久しぶりにこの空間に来たな。 何もないが、何故かここに来ると安心する。 「この空間は通常二種類に分かれます。オリュンポス十二神のみが使えるのと、それ以外の神が使えるもの」 前もその説明はしていた気がする。 そして、確かこっちは擬似的な空間だったはず。 「それ以外のものから説明すると、基本的に別空間に転移するというイメージです」 「うん」 「で、オリュンポス十二神が使えるのは時空を歪めて別空間に転移するイメージです」 「……う、うん」 「因みに私が使っているのは時空を無視して別空間に転移するイメージです」 「………………うん?」 「…………透さん、別に無理して頷かなくても」 始めしか理解できていない気がする。 そして二種類とか言いながら三種類あるし。 「一個目はわかったんだけど、二個目以降はわからん。何が違うんだ?」 「オリュンポスのは、時間の流れがゆっくりだと考えてください。で、私のは時間の流れが止まっていると思ってください」 噛み砕いて説明してくれているつもりなのかもしれないが、全く分からない。 俺の表情を読み取ったのか、クロノスは笑う。 「私のこの空間にいる限り、時間は進まず空間に入った時と同じ状態になります」
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