第1章 物語の世界・1

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 私の記憶が間違っていなければ、ここはまだイシュタリカ王国の領内だ。  ここからダルシア国に向かうには、いくつもの国を越えていかなくてはいけない。  とても2、3日で辿り着くような場所ではないのだ。 「困ったな。どうしよう?」 「どうしようって言われても……」  困り顔の二人に、私はドキドキしながら答えを待った。 「仕方ないわね。とりあえず近くの街まで連れていきましょう。転移魔法が使える人がいるかもしれないし」 「そうだな。ユキリア、それでもいいかい?」 「あ、うん。ありがとう。よろしくお願いします」  こういう展開になるだろうとは予測していたが、不安があっただけに私は素直にお礼を言った。
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