プロローグ

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 プリンターに用紙をセットし、パソコン画面の印刷アイコンをクリックする。しばらくして、プリンターが印刷を始めた。  私は窓のカーテンを開け、外を眺めた。みごとな満月が銀色の光を放っている。  月は自らの力で光輝いているわけではなく、太陽の光を反射しているだけ。それでも、こんなに綺麗なのはなぜだろう?  私も色んなファンタジー作品を読んできたが、必ずと言っていいほど月の描写は出てくる。いつもより大きく感じるのは、気のせいだろうか?。アイコンをクリックし印刷を開始した。印刷が終わったら後は綴じるだけ。  私はホッとしたのと同時に疲れを感じ始めた。 「ふわぁぁ~。さすがに眠いなあ~」  プリンターの無機質な音が、まるで子守唄のように聞こえてくる。  眠気に耐えられなくなった私は、そのままキーボードの上に突っ伏し夢の中へと入っていった。
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