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「おーい、大丈夫かあ?」
背後から声がし振り返ると、ちょうど土手のようになっているところから二人の人物が駆け寄ってきた。
一人は、茶髪の猫っ毛に、赤い布を額に巻いた少年。もう一人は、ウェーブのある金髪ブロンドの女性。
(あれ? この二人、どこかで……)
頭の隅に、二人の記憶がある。だが、腰に剣をさげ武装した格好の知り合いがいるはずもない。
何かのアニメやゲームのキャラクターかとも思ったが、そんな感じでもない気がする。
どんどん近付いてくる二人の顔がハッキリ見えてくると、ようやく二人の事を思い出した。
(そうだ、この二人! 私の書いた物語のキャラクター!)
物語の登場人物を書くとき、私はそのキャラクターを頭の中に思い描くようにしている。
その人物の姿形はもちろん、声までも想像しキャラクターを作り上げるのだ。
そして、今まさに目の前にいる二人は物語の登場人物たち。二人の登場で少しだけ状況がつかめた。
私は、自分が書いた物語『聖騎士ユーリナイト』の世界に入りこんでしまったのだ。
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