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「美穂ー!どこだーっ!」
走り回って捜す。
まさかとは思いたくないが、顔はどんどん青ざめていた。
と
「…勇騎」
小声で呼び掛ける声に振り向くと、ブロック塀の奥から、美穂が手招きしていた。
胸を撫で下ろし、安心を滲ませた表情で近づくが、美穂の顔は固いままだった。
「…大丈夫、なの?」
「大丈夫だよ」
塀を乗り越え、美穂の横に腰かける。
「…俺」
真実を語ろうとした俺の口を、美穂の人指し指が止めた。
「…まだ、いいよ。ゆっくり、整理ができたら、話して」
そう言う美穂の表情は緩やかになっていた。
「お取り込み中悪いが、話がある」
が、突然の来訪者に、俺も美穂も度肝を抜いた。
「つ、士っ!?」
「ツカサ・K・デイケット!?」
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