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…――そして、季節が1つ回った頃、『異界』へと渡る方法を編み出した。
希少と言われる『ワープの杖』の宝玉を埋め込まれた扉の前で、サーラとオレは達成感を感じていた。
「あと血をたらせば、向こうへ行ける」
『血』には色んな情報がある。
生まれた場所。
両親。
そして、自分の願い。
その『血』が、きっと導いてくれるはずだと、この1年でオレとサーラは結論づけた。
「行こう、兄様」
「あぁ」
置き手紙を一枚置いて、育ててくれた皇国(くに)を後にした。
見知らぬ『故郷』へ――…。
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