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プルル…
「…ゆかり？」
やっと繋がった携帯に
ホッと胸を撫で下ろした。
「うん…今ね…営業の帰りで…」
「お疲れ」
「…うん」
｢で？どした？あぁ…もしかして俺の声が聞きたくなったとか?｣
何も知らないでクスクス笑いながら言うその言葉に私の気持ちは不安になる一方で…
「朝倉主任が…」
「うん…麻衣ちゃんがどしたの？」
｢原口部長から食事に誘われて…ついて行っちゃった…」
「はぁ？」
「どうしよう…小林君なんとかして…」
耳が痛くなるほど、静まり返った受話器の向こうにギュッと瞳を閉じた。
「ついていったって…なんで止めないんだよ！」
「止めたんだけど…」
割れるように響く小林君の声に
本気でやばいって思った。
「お前だって知ってるだろ？原口部長の噂」
「…うん」
そう…知ってた。
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