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もし麻衣が一人で行ったとしたら取引先だと思ったが・・・
原口がいないなら違うのか…。
じゃぁ、今、どこにいんだよ。
はぁ…。
頭を抱え込むような空気の中、
「あぁ~腹減ったぁ」
相変わらず呑気に社内に入ってきた小林。
けだるそうに、席に向かってダラダラ歩いてくる。
「ねぇ小林?朝倉どこ行ったか知らない?」
小林はスーツの上着を脱ぎながら、キョトンとした顔をして、尋ねた明石に首をかしげた。
「知らないですけど、いないんすか?」
「昼休憩から戻ってこないのよ」
「えっ?」
「何してんのかしら…」
「まだ飯でも食べてるんじゃないですかね?」
そう言いながらも、
小林は携帯を手に取るとそれを耳に当てた。
しばらくその様子を見ていた、俺と明石。
「出ないっすね」
携帯の液晶に向かってそう呟くとゆっくり椅子に腰掛けた。
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