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憧れが恋心に変わって、疎遠になっていつしかその気持ちは薄れて、でも再会して関わるうち、もっともっと好きになって、でも悪い所も見て、それでもそんな晴翔が好きだって思えて、これからきっともっともっと好きになるのかなぁなんて思えて、一緒にいれるだけですごくすごく幸せで。
そして視線の先の、運命の人とこれから新しい人生を歩んでいく親友も、とてもとても幸せそう。
「随分静かだな」
「―――え?」
「疲れたか?」
帰りに葵を車で迎えに来たのは晴翔だった。
乗り込んできて「ありがとう」と一言言って以来、助手席で外の景色を見つめたまま一言も発さない葵の様子に、さすがの晴翔も気になったようだった。
「無理もねぇか。お前、普段そんな格好しねぇもんな」
足元に脱ぎ捨てられた高いピンヒールを指摘しながら晴翔がクスクス笑う。
「足、痛ぇんだろ」
「ちょっとね」
結婚式じゃなきゃこんなヒールの高いものははけやしない。
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