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「しかし計算外だったわ……ブーケトス、新婦の姉が取るとはね」
「私その真後ろだったんだよな~……お姉さんが手をあれ以上伸ばさなければ取れてたのに」
「気を落とさなくていいんじゃないの。ブーケトスなんてあてになんないわよ。気休めもいいとこ、あんな風習」
葵はそんな会話を聞き、たまに口を挟んだりしながら次々出される料理にがっついていた。
何せご祝儀3万円だ。
料理名は目の前のお品書きにも書いてあるし、式場スタッフが運ぶ度説明してくれているが、別に興味はない。
とりあえずどれも美味しいので無駄にしないよう一生懸命食べるのが(自分流の)礼儀作法と言うものだ。
「それにしても新郎、結構イケメンじゃん。身長はそんな高くないけど」
「神様はそう簡単に全て与えちゃくれないってことじゃない?」
「でもさ、あの子去年の今頃違う彼氏いなかったっけ?あれとはかけ離れてた気がするけど……あ、私魚介パス。アレルギーだから葵にあげる」
「え?いいの?食べちゃうよ?その彼氏ならその直後に別れて……今のあの旦那は前々からあの子のこといいなって思ってたらしいよ」
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