202人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
同級生で、かつての想い人だった片桐晴翔とひょんなことから再会、瞬く間に再燃した恋心と共に数ヶ月もの間なんやかんやとゴタゴタを乗り越えて恋人となって―――から、まだそれほど長い時間は経たない。
「何その曖昧なの。葵は?どうやってその彼と知り合ったの?飲み会?」
「だから違うって!……中学の時同じクラスだった同級生」
「へぇぇ!」
「意外!」
「甘酸っぱい!」
「うるさいなもー!」
妙に恥ずかしくなって、運ばれてきた海鮮ちらしを誤魔化すように掻き込む。
「でも結構長く彼氏いなかったじゃん。何でそれが今更同級生なの?」
「ずっと疎遠だったけどたまたま久しぶりに顔合せて……それで。ていうか私が昔好きだったから、今回も最初は私の片想いだったけど」
「押して押して押し倒したってわけね!」
「違うってば!」
心外だ。
押し倒してなどいない。
どちらかというと突き飛ばした方だ。
最初のコメントを投稿しよう!