片想いの夕立事情

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しくじった。 まずはそう思った。 今日は夕方から雨が降ると天気予報で言っていたのに。 でも、仕事が終わる直前はまだ夕日が綺麗で、更に帰宅する時間になった時はまだちょっと曇ってきたくらいだから大丈夫だと思ってたし、第一良純の天気予報だからほとんど信用してなかったのに(失礼すぎる)。 車に乗った瞬間、まさかの激しい夕立に襲われるとは。 そんな火曜日の夕方。 それでも買い物をしなくては今夜のおかずが無く、スーパー行ったらなるべく入口の近くに止めて走れば何とかと思った考えはきっと安易すぎたのであろう。 そんな時に限って超絶込んでいたスーパーの駐車場。 何とか車を止めて降りた瞬間、バケツの水を掛けられたかのようにずぶ濡れになった。 しかし、だからと言っておかずは勝手に出現したりしない。 お店の人にごめんなさいと思いながらも入ったスーパーは当たり前のようにガンガンクーラーの効いた空間。 夏場とは言え水分を含んだ服を着た葵は容赦なく体温を奪われた。
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