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命懸けでタイムサービスのじゃがいもと値引き品になった鶏のささ身を手に入れて会計を済ませたは良いが、店を出ても案の定土砂降りの雨は継続中で、何だかもうその軒下で立ち尽くすしかなかった。
とりあえずこのまま車に走って座席にタオルでも敷いて家に帰るのが一番マシな選択なのだろうけど……
現在の葵はと言うと、あまりの不運な状況と良純を信用してしまった安易な自分にほとほと呆れて呆然としていた。
「仕方ない……ちょっと気合い入れて走っ……っくしょい!」
あまり意味の無い独り言さえも自分の情けないくしゃみに遮られて身震いする。
情けなくなってため息をついた時、背後で聞き慣れた声がした。
「葵か……?」
「!!」
間違えるはずがない。
でも、あまりに予想外だったので、若干飛び上がりそうになりながら振り返る。
「は、はは、ハルッ!」
葵と同じスーパーの袋を持った片桐晴翔が、既に状況を把握したような呆れ顔でこちらを見ていた。
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