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「疲れた顔してんな、仕事大変なのか?」
「去年より面倒なものが増えたせいかな、内容的には変わってないんだけど、結構ハードかも」
「ふーん……」
とはいえ、こうして晴翔のアパートに1人で来るのはこれが初めてではない。
それどころか、再会してからはほぼ毎週……多い時は週二くらいのペースで訪れており、翌日大体休みになる毎週金曜日はたいてい葵は晴翔のアパートで夕食を食べている。
一体これはどんな状況なんだろう。
晴翔の作った夕食を咀嚼しながら葵は改めて考える。
こんなことになったきっかけかどうかは知らないが、数ヶ月前、再会して話し掛けられた流れで2人はそのまま飲みに行った。
元々アルコールが得意ではなかった葵は始終ソフトドリンクで過ごしたが、晴翔はと言うとなかなかのハイペースで生をあおり、……その結果、酔い潰れた晴翔を葵が送り届けるハメになった(酔い潰れていたがかろうじて住所は言えた)。
後日、連絡先を交換した晴翔から「お礼に飯でも」と言われたはいいが、まさかそれが彼のアパートで彼の手料理を振舞われるということだったとは。
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