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一度訪れてからなぜか頻繁に呼ばれるようになり、いつの間にか毎週恒例の様になってしまっているこの現状。
ところが、これだけ通っているというのに、肝心なことは何一つ変わっていない気がする。
正直、彼を遠くから見ているだけだった中学時代に比べれば毎週2人きりでご飯を食べるようになったなんてとんでもないほどの進歩なのだが、本当に進んだのはそこまで。
ダイエットで言う停滞期ってやつだろう。
「葵の仕事も大変なんだなー……俺には出来ないだろうし」
「みんなそれぞれ大変なんだよ。私だってきっとハルの仕事は出来ないと思う」
今でこそ名前で呼び合うまでになれたが、それも当然再会してからのことだ。
そう言えば、中学時代一度だけ、名前を呼ばれたことがある。
しかも、「佐伯さん」、て。
呼ばれた時の感想はと言うと、嬉しいやらショックやら、だった。
憧れの片桐くんに名前を呼ばれた、でもなんかすっごい余所余所しい。
それが正直な感想だった。
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