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本当にショックだった。
だって片桐晴翔と言えば、当時は誰に対しても分け隔てなく親しげに接するのが常で、クラスメートだって大半が名前で呼ばれていたり、そうでなくても名字で呼び捨てだったりして。
サバサバしている性格の彼が名字でさん付けなんて、かえって違和感があったくらいだ。
そう言えば、そんなことでショックを受けた過去を抱えていたにもかかわらず、再会したその日にはすでに葵と呼ばれていた気がする。
そんなことがあって、その日こそ葵は片桐くんと呼んでいたが、会う頻度が重なるうち、試しに「晴翔」って呼んでみたら、普段からそう呼んでたかのようなごく自然の反応をされた。
あの瞬間は、正直こっちの方が動揺した。
何度か呼ぶうちに呼び慣れて、ついには「はると」すらやめて現在の呼び方に落ち着いたのだけれど。
「ていうかさぁ、いつもいつも大変じゃないの」
「何が?」
「いつもハルがご飯作ってるんだもん」
「お前仕事して帰ってくるだろ」
「それはお互い様じゃん」
「んー……一応客だし」
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