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晴翔がキョトンとした顔で葵を見る。
「そう言う“片桐くん”だから、好きになったの」
ベッドから起き上がった葵は、にっこり笑い掛けた。
「大好きだよ、ハル」
途中から言葉を失くして聞いていた晴翔の頬に、カッと赤みが差す。
「ばっ……お前!急に可愛いこと言ってんじゃねぇよ!」
「えっ何それ。褒めてんの貶してんの?」
「知るかもう!あーもうこっち見んな!」
「何よそれー!」
「………まったく、ほんとに世話が焼けるんだから……」
いつの間にか戻って来ていた蓮が玄関の前で溜め息をつく。
「意外とあの2人、これから立場逆転するかもしれないなぁ……」
そんな独り言をつぶやきながら、蓮は扉を開けた。
「お前達ー!あれほど寝てろって言っただろ!」
「げぇ蓮!」
「寝る!寝るから!だからそのペットボトル投げるのやめろ!」
2人の関係は、まだまだ始まったばかり……
【END】
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