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捲られたネグリジェ。
肌白くすらりと伸びた脚。
双の膝頭に触れたアスティスの綺麗な手がゆっくりとティルアの脚を押し上げていく。
羞恥でいっぱいになったティルアは顔を伏せる。
アスティスの唇が脚のラインを辿るように滑っていく。
「ひゃうぅっ」
思わず漏れた声にびくんと身体を反応させながら、ティルアはシーツをきゅっと握った。
そろりと顔を上げると、彼のインディゴブルーとぶつかる。
妖艶な笑みがティルアの拍動を大きく鳴らせる。彼の唇が既に色付く紅い華を咥えるように吸った。
「んんっ、はぁっ、ああっ」
甘さを超越し、痛みを感じる程の刺激に目許からうっすらと涙が滲む。
アスティスの唇が触れている箇所が熱く疼く。
ラサヴェルのことなど吹き飛んでしまうほどの幸せな感覚がティルアに降り注いでいく。
くっきりと新たに咲き誇った華は、アスティスがつけた愛痕だとティルアの中で幸せな響きをもってはっきりと刻まれた。
脚先にひやりとした感覚が襲う。レースのショーツがするりと脚先から床へと落ちた。
恐怖は何一つなかった。
星が降り注ぐ綺麗な綺麗な夜だった。
荒くする呼吸、浮かぶ汗しずく。
夜に輝くシャインゴールド。
ティルアの紅玉に滲む涙を拭う指先。
誰かに似ているようで、誰にも似ていない愛しい愛しいインディゴブルー。
彼の背に腕を回して。
与えられる快感に何度も何度も波間をさ迷って。
ティルアはアスティスの愛に溺れた。
一糸纏わぬ二人のシルエットが星降る夜の月明かりに照らされる。
二人一緒に手を繋ぎ、横になりながら――
「ティルア、俺と一緒に城を出ないか」
彼が言った。
駆け落ちの意味も知らないティルアに向けて。
「?
私はアスティスの傍に居られるなら……何番目だっていいよ」
ティルアの笑顔に、彼は首を横に振った。
「俺は君を一番に愛せない王位になど興味はない」
今度はティルアが首を横に振る。
「だめ、それはだめ。
アスティスはこの国の王様になるの。
この国の人々全てを笑顔に、幸せにするの」
「ティルア……」
「この話はもうおしまい。
……もう寝よう、アスティス」
二人は夢へと落ちていく。
絡み合う指。
ティルアの指先にはアスティスの愛の証である紅玉の指環が嵌められていた。
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