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ジェーンは、目をそらしたまま、勇気を出してカレジに言った。
「あの、さっきはごめんなさい。持ってきてくれて、ありがとう。これ、代金です。」
お金を受け取りながら、カレジも声をかけた。
「ありがとう。ジェーン、あのさ…。俺、なんか気に障ることしたかな?」
「……えっ!?」
思いもよらない質問に、ジェーンは焦った。
「全然思い当たることがなくてさ。もう、繰り返さないようにするから、教えてくれないか?」
真剣なカレジの表情を見て、ジェーンは申し訳なくなった。
「カ、カレジさんは、何もしてません!!私が悪いんです。えっと、ちょっと調子が悪くて。…あー、頭が痛いかな…っと。」
ジェーンのわざとらしい演技に、マーラとルーイは笑いをこらえている。
「そうだったんだ。確かに、顔が赤いもんな。ゆっくり休んだ方がいいよ。…良かったぁ!!出会ったばかりで嫌われたら悲しいからなぁ。話してくれてありがとう。また来るよ。」
カレジは年の近い女の子と接する機会がなかった。
ジェーンのことは、素直に可愛いと思っていた。その気持ちが、無意識に行動に出た。父やレンによくやってもらってたように、ジェーンの頭を軽くポンポンて撫でた。
「………!!!」
ジェーンは固まって動けなくなっていたが、カレジは特に気が付かない。
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